獣医師が転職で失敗や後悔をしないために知っておきたいこととは?

Column

2022年12月19日

今の職場の人間関係に悩んでいる場合や休日や給与などの待遇面を改善したいと思っている場合、新たな職場に転職することで悩みを解決できる可能性があります。しかし、職場を変える転職は、獣医師にとって大きな転機となるものです。転職をするからには、転職後にこんなはずじゃなかった、別のところに転職すればよかったと後悔することがないようにしたいものです。
転職を成功させるためには、獣医師の転職でありがちな失敗例を事前に知っておくことも大切です。そこで今回は、獣医師に見られることの多い転職の失敗例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

獣医師の転職失敗例1:1つの職場だけを見て転職を決断してしまった

転職活動をしているときには、次の仕事が決まるだろうかと不安に思うことも多く、気持ちが不安定になりがちです。今の職場をできるだけ早く辞めたい、早く次の職場を決めたいと思う気持ちが強くなるほど、転職活動中は焦りが生じてしまいます。そのため、獣医師の中には転職活動を始めてすぐに転職先を決めてしまうケースがあります。
しかし、1つの職場だけを見て転職先を決めてしまう行為は非常に危険です。元の職場と転職先の職場が違うように、それぞれの職場の方針や雰囲気、仕事の進め方などは違ってきます。複数の職場を見て比較検討をしない限り、どの職場が一番自分の希望に合っているところなのかを判断することは難しいでしょう。

転職時には、学生時代の先輩や同級生など周りの獣医師の話をよく聞き、他の獣医師が働く場所と自分の職場にどのような違いがあるかを確認しておきましょう。また、動物病院に転職したい場合は、検索サイトなどに書かれている患者側からの口コミ評価も読んでおくと参考になるでしょう。転職を成功させるためには1つの職場だけで決めてしまうのではなく、複数の職場を比較することが大切です。

獣医師の転職失敗例2:知人の紹介で転職したけれど入ってみたら話が違った

獣医師は専門的な職種であり、知人から紹介を受けて転職をする人も多い職種です。しかし、知人からの紹介の場合、給与や勤務時間、休日などの勤務条件が曖昧になっていることも少なくありません。知人紹介での転職は、知り合いからの話だから安心だと考えがちですが、働き始めてから条件が違っていることに気がつくケースもあり、辞めたいと思っても知人紹介である以上なかなか辞めると言い出しにくいといったデメリットもあります。

知人紹介で転職する際にも、その職場が自分の転職目的に合致した職場であるかどうかを冷静に判断し、勤務条件なども事前にしっかりと確認したうえで転職するかどうかを判断するようにしましょう。

獣医師の転職失敗例3:希望条件にこだわりすぎてしまった

今の給与に不満があり、年収をアップさせたいと収入にこだわって転職をしたときに、高収入は実現できたものの残業や休日出勤が多くなってしまい、転職したことを後悔してしまうケースがあります。
また、プライベートを優先するために勤務地を限定しすぎてしまうと、獣医師の資格を活かして働ける職場も限られてしまいます。通勤に便利だからという理由で転職したものの、人間関係がうまくいかず、さらには自宅と勤務地が近いために退職後も近くで顔を合わせることがあって気まずいといったケースも出ています。

転職時に叶えたい条件がすべて実現できる職場というのは、なかなかありません。どんな職場に転職したとしても多かれ少なかれ不満は出てくるはずです。転職時には、何を実現するために転職を希望したのか、転職の目的を見失うことなく、最も重視する条件とその他の条件のバランスを見極めて転職先を決めるようにしましょう。また、1つの条件だけに絞ってしまうと求人も狭まってしまいます。転職活動の際には、まずは少し広い視野で求人を探してみることも大切です。

獣医師の転職失敗例4:入ってみたら思っていた仕事と違った

獣医師としてキャリアアップしたい、専門分野をさらに突き詰める仕事をしたいと考えて、転職をする方もいるでしょう。たとえばある分野に特化した治療や研究を行っているところに転職したとしても、実際には経験の豊富な獣医師がその分野を担当しており、その他の業務を他の獣医師が担当しているというケースも少なくありません。このような環境では、新たな技術を身に着けることは難しく、せっかく転職しても後悔してしまうことになります。

獣医師の求人には、業務内容が詳しく書かれていないこともあります。面接時には実際に担当できる業務の内容を詳しく聞き、職場の体制などについても確認しておくとよいでしょう。

転職に失敗しないためには、事前の情報収集が大切


転職に失敗しないためには、例え仕事の紹介があったとしてもまずは求人サイトや口コミの情報などを検索し、どのような職場であるのか事前に情報を集めることが大切です。また、転職活動中は早く次の職場を見つけたいという思いから、冷静な判断ができずに勤務条件や業務内容をしっかり確認しないまま転職先を決めてしまう場合があります。
獣医師の求人を多く取り扱う求人サイトには、動物病院以外にも獣医師免許を活かせる仕事が掲載されています。また、転職エージェントを利用しての転職は、エージェントを介して勤務条件や業務内容をしっかりと確認できるといったメリットがあります。どのような職場が自分に向いているのか、転職の方向性に悩んでいる場合もキャリアコンサルタントに相談することができて安心です。
転職先は慎重に決めるべきですが、転職活動は視野を広げ、様々な方向から積極的に情報を収集することも大切です。

この記事の監修者

高野 航平

大学卒業後、一般動物病院にて小動物臨床を経験し、アニコムへ入社。
ペットの病気の早期発見・予防を目標に、記事監修や相談ダイヤルなどの啓発事業に携わる。愛猫 茶太郎と暮らしている。