高収入の獣医師求人を探すコツとは?勤務先ごとの年収目安も紹介

Column

2023年2月28日

高収入の獣医師求人があれば、転職を考えたいという方も少なくないのではないでしょうか。年収に対する不満は、獣医師の転職理由として常に上位にランキングするものです。
では、高収入の獣医師求人はどのように探せばよいのでしょうか。
今回は、高収入の獣医師求人を探すコツについてご説明します。

獣医師の平均年収は

高収入の獣医師求人を調べる際には、比較検討のために獣医師の平均年収を知っておくことも大切です。厚生労働省が発表している「令和3年賃金構造基本統計調査」のデータから計算すると、獣医師の平均年収は36.1歳で約592万円となります。
しかし、獣医師の年収は勤務先によっても異なると考えられます。勤務先ごとの獣医師のおおよその平均年収は次の通りです。

動物病院の勤務獣医師の場合
動物病院の勤務獣医師の平均年収は、600万円程度だと言われています。経験を積んでいけば給料は上がっていき、50代の勤務獣医師の年収は700~800万円程度になります。

水族館や動物園に勤務する獣医師の場合
地方自治体が運営する水族館や動物園に勤務する獣医師は公務員になるため、自治体によって水族館や動物園に勤務する獣医師の年収は異なります。民間の水族館や動物園の獣医師の年収は、400~450万円程度だと言われています。

公務員獣医師の場合
国家公務員であるか地方公務員であるかによって年収の規定は異なりますが、公務員の獣医師の平均年収はおよそ600万円です。

製薬会社など、企業に勤務する獣医師の場合
企業に勤務する獣医師の年収は、600~800万円程度とされています。ただし、業務内容や経験年数によって金額に差は出ます。

高収入が期待できる獣医師の勤務先

高収入が期待できる獣医師の勤務先としては、次のような場所が考えられます。

・JRA
JRAは、Japan Racing Associationの略で日本中央競馬会を指します。JRAは、農林水産省所管の特殊法人であり、資本金は全額政府の出資によるものです。JRAの獣医職には臨床獣医職と研究職があります。臨床獣医師は、競走馬のコンディション管理や病気・ケガの治療、予防接種、薬物規定管理などに携わり、研究職獣医師は競走馬に関する調査・研究を行います。
JRAに勤務する獣医師の年収は650万円~1,200万円程度だと言われており、かなり高収入が期待できる職場だと言えます。しかしながら、JRAでは毎年獣医職は5人程度しか採用しておらず、JRAのサイトに記載されているのは新卒者の採用のみとなっています。定期的に中途採用を行っているわけではないため、JRAへの転職を希望しているようであれば求人募集のタイミングを逃さずに応募する必要があります。

・製薬会社
製薬会社は、高収入を期待できる企業として知られています。製薬会社では、平均年収が1,000万円を超える企業も少なくありません。製薬会社の年収が高い理由の一つとして、利益率の高い市場であることが考えられます。平均年収は全ての職種を対象とした年収になりますが、製薬会社では専門的な知識と資格が必要となる獣医師の年収も高くなると考えられます。

・公務員獣医師
公務員獣医師も高年収が期待できる職種です。令和4年度の国家公務員給与等実態調査と令和3年度の地方公務員給与の実態に示されているデータから、平均給与月額に国家公務員の年間賞与支給月数である4.4か月を加えて平均年収を算出しました。その結果、国家公務員の平均年収は約677万円、地方公務員の平均年収は約678万円でした。
国家公務員の平均給与月額413,064円は、平均年齢42.5歳での金額です。毎年、昇給を続けていけば、経験年数を積むとともにさらに高年収を期待できるでしょう。

「令和4年国家公務員給与等実態調査」
https://www.jinji.go.jp/kankoku/kokkou/04kokkou.html

「令和3年度地方公務員給与の実態」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/kyuuyo/r03_kyuuyo_1.html

高収入の獣医師求人を見つけるコツとは?

転職で年収をアップさせたいと思っていても、高収入の獣医師求人を見つけられなければ転職活動が始められません。では、高収入の獣医師求人を見つけるためにはどうすればよいのでしょうか。
高収入の獣医師求人を見つけるコツをご紹介します。

・転職エージェントを活用する
JRAなどは新卒採用が中心であり、中途採用はそれほど積極的に行われていません。しかし、JRAは全国に点在しているため、地域によっては中途採用求人を募集しているケースがあります。その場合は一般には公開されず、転職エージェントのみが情報を扱っている可能性があります。
また、製薬会社では獣医師だけでなく、MR(営業)などの職種も募集しているため、転職エージェントは製薬会社とのつながりを持つところが多くなります。したがって、転職エージェントに登録すれば、製薬会社の高収入の獣医師求人を紹介してもらえる可能性もあるでしょう。
転職エージェントの活用も積極的に検討してみましょう。

・求人サイトをチェックする
獣医師の求人サイトにも、高収入の獣医師求人が掲載されています。製薬会社以外の企業でも、獣医師の資格や知識を求め、好条件の求人募集をしているケースもあるため、こまめに求人サイトをチェックしてみるとよいでしょう。
また、日本獣医師会のホームページでは公務員獣医師の募集情報を検索できます。地方自治体によっては、中途採用で獣医師を探しているところもあり、公務員獣医師を目指すのであればこまめにチェックしてみるとよいでしょう。

・企業の採用情報を見てみる
製薬会社など、企業への転職を考えているようであれば、企業のホームページに掲載されている採用情報もチェックするとよいでしょう。急ぎの募集ではない場合は、求人サイトには掲載せずに自社サイトの求人募集ページのみに求人情報を掲載しているケースもあります。気になる企業があれば、定期的にチェックするようにしましょう。

高収入の獣医師求人を探すなら、転職エージェントや求人サイトを活用しよう

JRAでは獣医師の中途採用を積極的に行っていないこともあり、高収入の獣医師求人はそれほど多くあるわけではなく、募集と同時に希望者が殺到する可能性もあります。したがって、高収入の獣医師求人に応募するためには、求人募集のタイミングを逃さないことが大切です。転職エージェントに登録して紹介を依頼したり、求人サイトの確認を欠かさないようにしましょう。

この記事の監修者

高野 航平

大学卒業後、一般動物病院にて小動物臨床を経験し、アニコムへ入社。
ペットの病気の早期発見・予防を目標に、記事監修や相談ダイヤルなどの啓発事業に携わる。愛猫 茶太郎と暮らしている。