獣医師の平均年収はいくら?男女・年齢・地域別に調査

Column

2024年6月28日

獣医師の平均年収は、性別や年齢、働く地域などによって変わってきます。そのため、ご自身の年収が平均よりも高いのか低いのか、把握しにくいケースもあるでしょう。
ここでは、男女や年齢などに分けて獣医師の平均年収をご紹介します。

獣医師の平均年収は?男女・年齢別などに調査


では早速、男女別、年齢別、地域別、職種別の獣医師の平均年収をご紹介します。

男女別の平均年収
厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造統計調査」には、獣医師の性別ごとの平均給与が記載されています。それによると、男性獣医師の平均給与は約44万円であり、平均年収は約630万円となっています。一方、女性獣医師の平均給与は約34万円であり、平均年収は約492万円と、男性と比べると年収にして138万円ほどの開きがあります。
この調査では、男性獣医師の平均年齢は40.3歳、勤続年数9.3年、女性獣医師の平均年齢は33.7歳、勤続年数5.7年となっております。(企業規模10人以上)

年齢別の平均年収
令和5年賃金構造基本統計調査では、経験年数別の獣医師の平均給与額も調査しています。獣医師の場合、大学は6年制のため、卒業する年齢は24歳程度となります。賃金構造基本統計調査では年齢別ではなく、経験年数別に調査をしているため経験年数1~4年の場合を25歳~28歳、経験年数5~9年を29~33歳、経験年数10~14年を34~38歳、経験年数15年以上を39歳以上と読み替えてみます。
その場合、年齢別の獣医師の平均年収は次のように計算できます。
・25~28歳 約443万円
・29~33歳 約574万円
・34~38歳 約609万円
・39歳以上 約798万円
このデータから、経験を積むほど獣医師の平均年収はアップすることが分かります。

域別の平均年収
獣医師の平均年収は、働く地域によっても異なります。ただし、勤務年数にばらつきがあるため、エリアごとの平均年収の差が大きく開いているケースもあると考えられます。
・北海道・東北 約480~600万円
・関東 約240~600万円
・東海 約590~1,350万円
・北陸・甲信越 約270~630万円
・関西 約470~660万円
・中国・四国 約390~660万円
・九州 約490~720万円

職種別の平均年収
獣医師の平均年収は、どこに勤務しているか、どのような業務に従事しているかによっても変わります。獣医師の主な勤務先ごとの平均年収は次の通りです。ただし、この場合も勤続年数や担当する業務の内容、役職や所属する階級などによって年収は変わります。
・小動物臨床獣医師 約400~600万円
・産業動物臨床獣医師 約400~600万円
・地方公務員獣医師 約600万円
・国家公務員獣医師 約650万円
・民間企業 約600~800万円

他の医療系の職種と平均年収を比較

獣医師の平均年収をご紹介してきましたが、医師や歯科医師など、他の医療系の職種と比べると獣医師の平均年収は高いのでしょうか。ここでは、他の医療系の職種の平均年収をご紹介します。

医師の平均年収と比較
厚生労働省の「令和54年賃金構造基本統計調査」によると、医師の平均給与は約109万円 であり、平均年収は約1,437万円です。同調査による獣医師の平均給与は約49.2万円、平均年収が約686万円であることと比べると、医師の平均年収は獣医師よりも高いことが分かります。

歯科医師の平均年収と比較
歯科医師も獣医師と同様に、6年間大学で学ぶ必要がある職業です。「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、歯科医師の平均給与は69.6万円、平均年収は、約923万円です。やはり、獣医師と比べると歯科医師の方が年収水準は高くなります。

薬剤師の平均年収と比較
薬剤師も平成18年度に学校教育法の一部改正により、獣医師を目指す場合と同様に大学で6年間学ぶ必要がある職業です。「令和5年賃金構造基本統計調査」に示されている薬剤師の平均給与は41.8万円、平均年収は約578万円です。獣医師の平均年収と比べると100万円ほど獣医師の年収の方が高いことが分かります。

看護師の平均年収と比較
「令和5年賃金構造基本統計調査」による看護師の平均給与は35.2万円、平均年収は約508万円です。獣医師の平均年収は、看護師の平均年収よりも約180万円高くなっています。



まとめ

獣医師の平均年収を性別や年齢別、地域別、職種別にご紹介してきました。性別や地域によって獣医師の平均年収は変わるものの、年齢別の平均年収を見ると経験が上がるほどに年収も上がることが分かります。
また、医師や歯科医師に比べると獣医師の平均年収は低くなりますが、薬剤師や看護師の平均年収と比べると獣医師の年収の方が高い水準にあります。
獣医師の年収は低いと言われることもありますが、経験を重ねていけば年収も上がり、医療系の職種と比べても決して低いわけではないことをお分かりいただけたのではないでしょうか。

この記事の監修者

高野 航平

大学卒業後、一般動物病院にて小動物臨床を経験し、アニコムへ入社。
ペットの病気の早期発見・予防を目標に、記事監修や相談ダイヤルなどの啓発事業に携わる。愛猫 茶太郎と暮らしている。