製薬会社(臨床試験を担う企業)で働く管理獣医師の仕事内容・年収・キャリアパスを解説!

Column

2024年9月11日

製薬会社や臨床試験を担う企業(CRO)で働く獣医師の役割は、動物用医薬品の開発や製品の安全性評価、実験動物の管理など多岐にわたります。ここでは、具体的な仕事内容や業務のやりがいについて詳しく説明します。

仕事内容


新薬の研究・開発
製薬会社における獣医師の主要な役割の一つは、新薬の研究と開発です。獣医師は、動物の解剖学や生理学の専門知識を活かして、薬効評価や毒性評価を行います。具体的には、以下のような業務を担当します。

薬効評価: 新薬の効果を動物モデルで試験し、その有効性を確認します。
毒性評価: 新薬が動物に与える毒性を評価し、安全性や適切な用量を見極めます。
病理学評価: 実験動物の組織や臓器を観察し、薬剤の影響を分析します。

実験動物の管理
管理獣医師としての役割も重要です。製薬会社では、動物実験の信頼性を担保するために、実験動物の健康管理や飼育環境の適正運用が求められます。具体的な業務内容は以下の通りです。

動物福祉の確保: 実験動物の人道的な取り扱いや健康管理を行い、動物福祉に配慮した実験施設の運営を支援します。
施設運用の遵守: 実験施設の適正運用を監督し、施設が国際的な基準(例:動物福祉に配慮した世界水準の動物実験を実施していることを示すAAALAC認証)を満たしているか確認します。
治療と管理: 動物が不慮の怪我をした場合の治療や、実験手技に伴う苦痛軽減措置を実施します。

臨床試験の管理
臨床試験においては、獣医師が試験デザインやデータ解析を担当します。これにより、動物用医薬品の有効性と安全性を評価し、市場投入前の最終確認を行います。

製薬会社で働く獣医師のやりがいとキャリアパス


動物福祉と実験の両立
製薬会社で働く獣医師は、動物福祉と科学的研究の両立を目指します。例えば、AAALACの訪問調査で「動物が落ち着いていて、とても良い」と評価されるなど、動物のストレスを軽減する取り組みが評価されることは大きなやりがいです。

人と動物の健康を守る
獣医師としての知識を活かし、人と動物の健康を守るための新薬開発に貢献できることも大きな魅力です。製薬会社のミッションに共感し、健康を支える仕事に携わることができます。

キャリアパスの多様性
製薬会社でのキャリアは多様であり、研究開発だけでなく、ビジネス開発やマーケティング、規制当局との連携など、さまざまな道があります。獣医師としての経験を活かしながら、世界中で新たなスキルを磨く機会が豊富にあります。

製薬会社で働く獣医師の年収

製薬会社で働く獣医師の年収は、企業の規模や担当する業務内容、経験年数などによって異なりますが、一般的には600万円から800万円程度です。安定した収入が期待できます。また、製薬会社は福利厚生が充実している傾向があり、働きやすい環境が整っています。



まとめ

製薬会社やCROで働く獣医師は、新薬の開発や臨床試験、製品の安全性評価など、多岐にわたる業務を通じて動物と人間の健康増進に貢献しています。獣医師の専門知識と臨床経験は、製薬業界において非常に価値があり、管理獣医師としての役割も重要です。製薬会社でのキャリアは、研究開発だけでなく、ビジネス開発やマーケティング、規制当局との連携など、多様な道を提供します。獣医師としての新たなキャリアパスを探求する方にとって、製薬会社での仕事は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。アニジョブでは、様々な獣医師の求人をご紹介しております。まずは以下からご登録ください。
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この記事の監修者

高野 航平

大学卒業後、一般動物病院にて小動物臨床を経験し、アニコムへ入社。
ペットの病気の早期発見・予防を目標に、記事監修や相談ダイヤルなどの啓発事業に携わる。愛猫 茶太郎と暮らしている。